オウンドメティア立ち上げで自費診療売上1.1億アップ

当初の課題
 
E社は関東を中心に歯科業を行う医院です。当初はご出身の地元でご両親から歯科医院を受け継ぎ、30年ほど地域密着で展開しておりました。丁度2005年あたりから「インプラント」のちょっとしたブームが起こり、E社はこの流れに乗じる形で売上げを一気に拡大いたしました。
 
 
2010年頃から都内に分院を設け、「インプラント専門医院」を立ち上げました。最初は順調な滑り出しでしたが、急に増収に待ったがかかり始めます。きっかけは有名歯科医院の医療事故でした。
 
(日経新聞に掲載された医療事故の記事)
 
 
皆様はご存じでしょうか。インプラントブームの渦中に有名歯科医院が医療ミスを起こし、社会問題になったのです。もともとインプラントは自費診療科目で高額な商品です。そして、ジャンルは整形に近く、「必ず必要なもの」とは限りません。いわば贅沢品なのです。
 
 
リスクがないならやってみたいな、といった熱感の消費者が多い為、社会問題として世間を賑わせてしまうと一気に消費が冷え込みます。E社にとってはもうひとつ問題がありました。それは利益率が低いことでした。もともとE社は自社のマーケティング体制がなく、集客代行会社との契約で売上げを上げておりました。
 
 
この集客代行会社のビジネスは非常にユニークです。まず、各医院から協賛金として数億のお金を集めます。そして、そのお金で「インプラント名医紹介センター」といった立て付けでテレビCMを大々的に放映します。
 
 
 
 
そして反響を受け、エリアに併せて各医院に紹介するというモデルです。これだけでは頭を悩ませる必要はありません。実はこの販売代行会社は「紹介した消費者がインプラント契約を行えば、売上げの3割を成功報酬として医院に支払ってもらう」というかなり強気なサービス体系だったのです。
 
 
当時E社のインプラント1件あたりの売上げは150万。粗利は50万。かなり利益率は高いですが、件の集客代行会社が30%を報酬として収集するので利益は残りません。この体制の中で市場の需要が減った事で売上げどころか、利益の獲得も難しくなっていったのです。
 
 
なお、現在、インプラントの単価は大きく減少しております。現在はおよそ50~100万程度でしょうか。しかも1本あたり30万円で3~5本程度とかなり薄利なビジネスになっています。歯科医院はコンビニより多いと言われ、供給過多により価格競争が起こり、利益率が大幅に減少しております。
 
 
このような状況でE社は私たちにご相談を頂き、どのように売上げを上げるかを一緒に模索いたしました。普通なら自社ホームページをリニューアルし、自院独自の集客体制を構築するところですが、私たちはある手法にさらなる可能性を見いだしました。
 
 
それは「コンテンツマーケティング」です。皆様も一度は聞かれた事があるのではないでしょうか。記事に記載の通り士業やアカデミー関連のビジネスとコンテンツマーケティングは非常に相性が良いのです。接触段階でポジションが取れるからですね。
 
 
取り組み内容
 
~仕組構築~
 
私たちはまずE社のオウンドメディアを立ち上げる事としました。ここでは仮に「●●医院のインプラント情報館」という名前にしましょう。インプラント情報館にはE院長監修のインプラント関連の記事を500記事入れ込みました。
 
 
ここで懸念されることは「500も記事を書くのか!?」という事です。SEO効果として意味がある文字量は400文字とされておりますし、単純計算で文字量は20万文字に及びます。しかし、心配はいりません。私たちは記事作成を生業としているフリーランスのネットワークを保有しておりますので全ての記事を外注いたしました。中には歯科学生も含まれていました。
 
 
 
オウンドメディアで重要な事は何かお分かりでしょうか?それは「中立性」に他なりません。自社のPRを入れ込みすぎると中立性がなくなり、消費者が警戒をして反響をしなくなります。オウンドメディアの設計はあくまで中立的に設計いたします。
 
 
インプラント関連の単語20万文字で形成されているサイトですので容易にアクセスを稼ぐ事が出来ます。「インプラント」単体の上位表示は非常に困難ですが「インプラント 価格 相場」といった細かいキーワードは比較的上位表示が可能で、現に「インプラント価格の相場とは?」というタイトルの記事がかなり検索の上位に来ておりました。
 
 
ただアクセスが増えれば良いわけではありません。自社のサイトに来てもらってからは「どのように反響してもらうか」が必要となります。ここではE社の発刊している書籍をプレゼントする事にしました。
 
 
ホームページにプレゼントページを付けたわけですね。発刊と言ってもE社が以前自費で出版した書籍で余っていた在庫を利用しただけでした。しかしここでも良い効果を発揮します。E社の書籍はE社の強みを中立的にPRしている内容ですので、手にとって読んだ消費者は来院タイミングではすでにE社のファンになっているのです。
 
 
さらにはインプラント関連の500記事を監修している。社会問題である医療事故もどこ吹く風。オウンドメディア関連の顧客はE社を信用しきっているので全く心配しないでしょう。
 
 
~実行管理~
 
仕組みを構築した上で実行管理のフェーズへと移りました。
 
 
それぞれの毎月定点観測する事でどこに改善点があるかを毎回担当者と検討を重ねることで徐々に反響が上がっていきます。なお、記事が何ページ見られたか、が重要になりますのでアクセスは厳密にはページビュー(何ページ見られたか)となります。
 
 
~人材育成&意識革新~
 
 
例に漏れずE社もマーケティング担当のスキルが不足していたので、マーケティング部門向けの勉強会を複数実施いたしました。初級から上級と講座内容を段階分けし、マーケティングについてのインプットを徹底的に行います。
 
 
また、担当者の実行力も不足していたので下記のような「マーケティング担当者が行うタスク表」を作成し、2週間に1度、社長と私たちにメールで報告する体制を構築いたしました。
 
 
 
期待効果
 
 
上記取り組みによりE社のインプラントの売上げは1.1億増加いたしました。また集客代行会社を介さないモデルなので利益率がなんと3倍になりました。オウンドメディアによるコストは記事作成代程度ですので当然ですね。
 
さらに来院者はE社のファンとして来院しますので契約率が大幅に高まりました。集客を増やすために行った施策が結局広告費用の削減、契約率の増加に繋がった好例と言えます。
 
 
※弊社ではクライアントと守秘義務契約を締結している為特定情報は控えさせて頂いております。