2019.10.04

マーケティングの大原則『3C、STP、4P』

 
 
はじめに
 
私たちはデジタルマーケティングにおいて、様々な「成果創出の方程式」を駆使して成果を創出いたします。そのような成果創出の方程式を世の中では「フレームワーク」と呼びます。フレームは日本語で”枠”を意味し、ワークは日本語で”作品”を意味します。
 
 
いわばビジネスを考える上での枠組みですね。フレームワークは世の中に様々存在し、一説では30000存在すると言われています。日本のビジネスシーンでもよく使われるフレームワークは「SWOT」「PPM」「7S」あたりでしょうか。
 
 
私たちはデジタルマーケティングで成果を創出する上でよく使うフレームワークがございます。それは「3C」「STP」「4P」です。これはMBAという海外の経営大学院でも一つの講座として扱われており、群を抜く人気講義となっております。
 
 
ちなみにハーバード大学で講義されるマーケティング論もこの3つです。実際に多くの有名企業のマーケティング戦略がこの「3C」「STP」「4P」で設計されております。
 
 
今回はこの「3C」「STP」「4P」がどのようなものなのかを説明いたします。このフレームワークにおいては非常に難解な解説が至るところで行われておりますが、(経営学のテキストは1冊の図鑑のようなボリュームです)むろん私たちは経営大学院の講師ではありませんので、出来るだけシンプルに横文字を使わずに説明いたします。
 
 
 
マーケティングが最も大事と言われるこの時代においてこの3つのフレームワークを抑えておけばマーケティング戦略においてはおおよそ死角無し、となるでしょう。なお、シンプルをこころがけるが故に幾分飛躍した説明がある点はご容赦ください。
 
 
3C、STP、4Pを概念的に、シンプルに理解する
 
 
~3Cはシンプルに言うとどういうこと?~
 
 
では早速この3つのフレームワークを説明いたします。3Cは読んで字のごとく”「3つのC」を踏まえてマーケティングを考えましょう”というシンプルなフレームワークです。3つのcとは自社の英訳である「company」(上記の①)と、競合の英訳である「competeter」(上記の②)と、顧客の英訳である「customer」(上記の③)を指します。
 
 
まずあなたがご出身の地元でラーメン屋を開くとします。まずあなたがすべきことは何でしょうか?資金調達?事業計画作り?それらはここでは論説とずれますので少し我慢頂いてまずマーケティング戦略を策定しましょう。
 
 
実家が漁師のあなたは魚介だしについて圧倒的な強みを持っています。あなたは魚介だしをベースとしたラーメンで勝負する事とします。(①company)次に同じ商圏の競合を眺めてみましょう。半径10km以内にラーメン屋が3つあります。それぞれ「豚骨系」「醤油系」「塩系」です。
 
 
どこも人気でそれぞれの店舗が独自性を持っています。豚骨系はあの有名な家系ののれん分けのようでなかなか真っ向勝負は難しそうです。醤油系は地元で30年経営しており、地元民の知名度は抜群であなどれないです。
 
 
「塩系」については特に特徴も無く、チルドのラーメンをそのまま茹でているだけという噂も聞こえてくるくらいです。この場合、あなたは魚介だしでどのジャンルのラーメンで勝負すべきでしょうか?当然勝目が圧倒的にある塩系です。(②competeter)
 
 
では地元民はどのようなラーメンが好きなのでしょうか?あなたは駅前に立ち、500人にアンケートを採りました。結果、塩系が5割、醤油系が3割、豚骨系が1割という結果になりました。高齢者が多いこの商圏ではどうやらさっぱりした風味が好まれそうです。
 
 
この結果を踏まえてあなたはどのような判断をしますか?当然「塩ラーメン」で展開すると判断するでしょう。(③costomer)
 
 
以上、簡単に説明しましたが、これが「3C」です。非常に簡単ですね。繰り返しですが、3Cは読んで字のごとく”「3つのC」を踏まえてマーケティングを考えましょう”というシンプルなフレームワークです。
 
 
3つのcとは自社の英訳である「company」(上記の①)と、競合の英訳である「competeter」(上記の②)と、顧客の英訳である「customer」(上記の③)を指します。「”他社”が持っていない圧倒的な”自社”の強み、かつ”顧客”の求めるもので勝負しよう」という事です。
 
 
~STPはシンプルに言うとどういうこと?~
 
 
次に行うことはSTPです。3Cは皆様の中にも聞かれた事がある方もいらっしゃるかもしれません。一方でSTPは書籍などでもあまり出てこないフレームワークです。実はこのSTPが非常に重要な要素となります。
 
 
STPとはある言葉の頭文字を取ったフレームワークでそれは「Segmentation(分類する)」「Targeting(狙う)」「Positioning(ポジションを確立する)」です。ここまで言われても何のことか分からないでしょう。先ほどの事例で見て参りましょう。
 
 
いざ魚介塩ラーメンで展開しようと思ったあなたは先ほどの駅前アンケートを眺めてみました。あなたは好きなラーメン以外にも「ラーメンにどのような価値を期待するか」という質問もしています。
 
 
これだけでは少し難解なのでもう少し簡単に言えばこの質問は「ラーメン屋に入るとき、どういう理由で入りますか?」という質問と同等です。これはマーケティングの核となる質問です。
 
 
実際の結果を見てみると「体に良さそうか」「味がおいしいか」「ボリュームがあるか」「安いか」がそれぞれ3割、2割、3割、2割となりました。結果に大差が無く判断が難しいですが、お客様の種類として「健康重視」「風味重視」「ボリューム重視」「価格重視」の4パターンが存在することが分かりました。(④Segmentation)
 
 
この時点で勝目のあった塩ラーメン競争は雲行きが怪しくなりました。なぜかお分かりでしょうか?先ほど出た競合の「チルドを茹でるだけの塩ラーメンがライバル」ですが、実は「ボリューム重視」「価格重視」という点では非常に顧客のニーズを満たしていると言えます。
 
 
そこであなたはいわゆる差別化戦略としてボリュームや価格は捨てて、味と健康で勝負する事としました。(⑤Targeting)当然ボリュームも増やしや価格も下げて展開すれば行列が出来る名店になる可能性がありますが、非現実的であると言えます。
 
 
そもそも戦略とはその字のごとく「略」す事でありいわゆる選択と集中が非常に重要になります。捨てる勇気ですね。特に顧客の嗜好性が多様化した現代においてはいかに「カテゴリーキラー」になるか、が非常に重要な考え方となります。
 
 
ここまでであなたは「健康に良い風味香る魚介塩ラーメン」というコンセプトが出来上がりました。ここで注意しなければならないのが、「健康」「風味」というカテゴリーではラーメン以外にも様々存在することです。
 
 
それは日本料理も中華料理も、そば屋もうどん屋も言える事です。ここであなたはラーメンという食べ応えがあり、時間がかからないというポジションでこのカテゴリで勝負する事になります。いわゆる回転率勝負ですね。(⑥Positioning)
 
 
実はここまでがSTPとなります。STPとはお伝えしたように「Segmentation(分類する)」「Targeting(狙う)」「Positioning(ポジションを確立する)」の頭文字をとったものですが、上記の④であなたは市場を”分類”し、⑤で攻めるべき市場を”狙い”、⑥でその市場でのポジションを確立しました。これがSTPです。
 
 
これであなたの店のコンセプトを「手早く食べれる健康に良い風味香る魚介塩ラーメン」となりました。思いつきのコンセプトではなく戦略的に考え尽くされたコンセプトですね。上場企業であれ、中堅・中小企業であれ、零細企業であれ必ず必要な考え方です。
 
 
時価総額10兆企業と年商1億企業で同じフレームワークを使っているのはこのフレームワークくらいでしょう。アップルの戦略もSTPですよ。
 
 
~4Pはシンプルに言うとどういうこと?~
 
 
続いては4Pです。この言葉はおそらくビジネスパーソンであればほとんどの方が聞いたことがあると思います。4Pとは先ほどと同じく4つの言葉の頭文字を取ったものですが、何かお分かりでしょうか。
 
 
「PRICE(価格)」「PRODUCT(商品)」「PLACE(販売場所)」「PROMOTION(販売方法)」です。価格をどう設定するか、商品をどう見せるか、どこで販売するか、どのように販売するかを考えるという事ですね。先ほどの例の続きを見てみましょう。
 
 
あなたは3C、STPを行う事で店のコンセプトを「手早く食べれる健康に良い風味香る魚介塩ラーメン」としました。まず価格設定をどのようにいたしましょう。先ほどのラーメン屋の相場はどうやら600円~900円が相場のようです。
 
 
また、健康と味わいでポジショニングしている料理店についてはもう少し高めで900~1500円だそうです。ここではラーメン屋としては高めですが、健康と味わいポジションでは比較的安めの1000円で勝負しましょう。
 
 
商品はどうしましょう。ここでいう商品はラーメンそのもを指します。単にラーメンではなく、器やお箸なども入ります。健康と味わいで勝負するので器は少し重厚感のある黒い陶器、お箸は自然素材を使った木材、ラーメンの上には健康を想起させる色とりどりの野菜をのせましょう。
 
 
それ以外にもどのようなメニューを並べるかなども入ります。最近はスターバックスのように店の雰囲気などを商品として捉えるケースもあります。ちなみにスターバックスのコンセプトは「サードプレイス」つまり”自宅、職場の次に来る自分の空間”を売りにしてヒットしました。決してコーヒーを商品として捉えていないのは当初非常に斬新でした。
 
 
販売場所はいかがでしょうか。ここでは販売場所を「どこにするか」「どのように見せるか」がポイントとなります。居抜き物件の候補が3つあります。駅前と国道沿いとビジネス街よりです。
 
 
ここでは「健康と味わい」という事で健康を意識しており、ランチにある程度の予算を持っているビジネスマンを狙ってビジネス街よりに出店しましょう。店のたたずまいはどうしましょう。健康志向という事で少し質素で奥ゆかしさのある古民家のようなたたずまいにしましょう。
 
 
販売方法はいかがでしょうか。オープン当初は駅前でチラシを撒くことも良いと思いますが、今はデジタルの時代です。老若男女スマホで情報収集をします。ここではぐるなびと契約して新規顧客の集客を期待しましょう。
 
 
口コミが3.5になれば食べログと裏契約をして3.8に待っていくのもありでしょう。それだけではなく、ホームページも立ち上げましょう。極めつけはSNSですね。インスタで写真を拡散してくれた方にもれなく小ライス無料券を差し上げましょう。
 
 
これであなたのラーメン屋のマーケティング戦略は出来上がりました。いかがでしょうか。売れるイメージが付きませんか?いや、ここまでやってそれでもなお上手く行かないのがマーケティング戦略の怖くも奥深い所なのですが、とは言え日々の活動の中で諦めずに戦略をチューニングし続ければいつか行列のできる名店になるでしょう。
 
 
まとめ
 
 
~結局3C・STP・4Pとは何なのか?~
 
 
以上が、3C・STP・4Pのフレームワークの世界一簡単な説明になります。簡略化したため、少し学説と違う点があればご容赦ください。
 
 
ただ大きくは違わないはずです。また、お伝えしました通り、この3つのフレームワークがハーバードなど世界トップランクの大学でマーケティング戦略として論じられておりますし、フォーチューントップ500企業ですべからくこのフレームワークを活用してマーケティング戦略を組んでおり、非常に重要な考え方なのです。
 
 
~本当のデジタルマーケティング戦略とは?~
 
 
話をデジタルスペースのプロジェクトに戻します。最後にお伝えしたいメッセージは「世にはばかるいわゆるマーケティング戦略、それはマーケティング戦略ではない」という事です。誤解を恐れずに言えばマーケティングという言葉が誤解された形で広まっているという事です。
 
 
amazonでマーケティングを検索しても出てくる書籍はいわゆる(上記で言う)プロモーション戦略が主立っています。ホームページを作る、SFAを導入する、マーケティングオートメーションを導入するという行為は3C、STPをすっ飛ばし、4Pの一部プロモーションしか考えられていないのです。
 
 
もはやそれらは戦術であり、戦略ではありません。マーケティングは「一貫性」が命です。プロモーションしか扱わない(一貫性のない)マーケティングは非常に危険であると言えます。デジタルスペースでは3C、STPを踏まえた上で4Pさらにはプロモーションを構築いたします。
 
 
非常に手間がかかることですが、この一手間が成果、最終的な売上げに繋がるかどうかを左右するのです。皆様も今一度自社のマーケティング戦略がプロモーションにとどまっていないかを振り返って頂けると良いと思います。